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薬価行政雑感


Vol.456 製薬企業の高収益を適正化し、患者負担軽減・医療技術料の引上げ財源へ - MRIC by 医療ガバナンス学会

ご紹介するのが遅くなったけど、こんな記事があった。私が気になったのは長文のうちの以下の抜粋部分だ。


全国保険医団体連合会「日本の薬価問題プロジェクト2011」委員 
小薮 幹夫(大阪府保険医協会事務局)
2012年4月6日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

内外に大きな反響をよび、厚生省(当時)の一連の医薬品行政改革にもつながった「薬価の国際比較調査(1994年、1995年)」(大阪府保険医協会実 施)から16年。全国保険医団体連合会(保団連)は、1)日本の薬価水準、2)製薬企業の収益性・財務の実態―について、精細な調査を行い、「薬価の国際 比較調査にもとづく医療保険財源提案」を発表した(2011年12月22日)。調査結果をもとに、医療費の供給側要因、とりわけ高騰する薬剤費の分析を踏 まえ、医療保険財源のあり方について提言する。




元厚労省担当者が薬価交渉を指南―薬価算定の実態と不透明性
2009年12月から2011年3月までに新規収載された71品目をカテゴライズすると、類似の既収載薬がある新医薬品45のうち類似薬効比較方式 (II)が採用されたのは1品目、その他はすべて類似薬効比較方式(I)が適用され、その29.5%にあたる13品目では有用性加算により、既収載薬より 5%~25%の価格引上げがなされている。この加算率は製薬業界の要望に沿って、継続的に引上げられている。また、4品目で外国価格調整の適用により、価 格の引上げが図られる一方、引下げはなかった。
これら加算率の刻みをどのように決定するのかは、審査する厚労省担当者の裁量に委ねられている。元厚労省薬価審査責任者が某企業のセミナーで「当局との薬 価取得交渉~薬価の算定基準・予測と当局の考える『値ごろ感』」というテーマで講演している。その要旨に「(新薬の)薬価算定については、算定ルールが公 表されているものの、比較対照薬の選定、加算の有無および加算率の選定など、いくつかの点で交渉する余地が残されている。これらへの対応を最近の薬価算定 の実際を踏まえて考察する」とある(参照2)。新薬の"値づけ"の妥当性について、疑義を抱かれても仕方ないだろう。



武田一社の内部留保だけで消費税1%分
さらに医薬品業の財務内容を見ると、総資産に対する各項目の割合では、金融資産(有価証券+投資その他の資産)が総資産の60%にまで達している。負債 は、約2割で少ない。利益の留保部分である利益剰余金は8割を占めており、非常に多い。この利益剰余金から負債を相殺しても6割以上が内部留保(狭義)と して残ることになる。武田薬品工業の2010年度の利益剰余金は、消費税1%にほぼ相当する2兆2721億円に達している。株主から出資された資本金 635億円の36倍もの利益剰余金が蓄積され、株主には毎期1000億円もの配当が行なわれている。株主資本分は、とっくに株主に返還済みといえる。これ は医薬品卸業者や医療機関への高値での医薬品販売からの利益の蓄積によって形成されているものである。




商品(医薬品)を製造販売する点で、自動車や電気・コンピューター産業とは大きく異なる。国民皆保険制度の下、国内売上の8~9割(参照17)を公費、保険料、患者負担からなる公的医療費財源に求めている以上、製薬企業には高い公共性、公益性がある。



その上で筆者はこう提言している。


(1)高薬価維持制度である「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(「新薬加算」)を即時撤廃すること
(2)後発品のない先発品(約4.7兆円)の薬価を大幅に引下げること
(3)公正で透明な薬価制度改革を実施すること


特に(3)では理由として以下の説明がなされていて、私が長年もやもやしていたことが解けてきた。

(3)公正で透明な薬価制度改革を実施すること
新薬の薬価決定システムの主な問題点について記述した。

1)類似薬効比較方式の問題点
どんな「新薬」でも比較対象となる既存類似薬の1日薬価より最低でも5%アップになる仕組み。中央社会保険医療協議会で大きな問題となったトレリーフ(大日本住友)のように、同一成分でありながら効能効果が変わっただけで既収載品薬価の113倍になる例もある。
また、類似薬効比較方式と関連して、新薬承認時に採用されている「非劣性試験」の是非についても検討が必要である。

2)「規格間調整」と「外国平均薬価調整」ルールの問題点
「外国平均価格調整」ルールで引下げられた例もあるが(参照20)、外国調整によって算定薬価より引き上げとなった品目については、個々について詳細に検討が求められる。
わが国では「規格間調整(参照21)」と「外国平均薬価調整」の両方が薬価算定時に加味されることから、矛盾も生れている(参照22)。

3)「原価計算方式」の問題点
近年、「原価計算方式」方式で算定された新薬は近年増加の一途である(参照23)。薬価算定において「原価計算方式」は、類似薬のない新薬に適用される。 この方式は、製品製造原価だけでなく研究開発費などの投資部分や予め営業利益等を含めて薬価とする方式であり、電気料金などと同じく総括原価方式で算定さ れる。
製薬業界の高い営業利益をベンチマークにしているため、薬価が高止まりする仕組みになっている(参照24)。各コストの詳細は、企業秘密として明らかにさ れていないが、前提となる予想市場規模を過小に見積もれば、恣意的に高い薬価を申請することができる。例えばオ―ファンドラッグ(希少疾病用医薬品)のほ とんどはこの原価計算方式で算定されるが、高い薬価が設定された後に効能を大幅に拡大して市場を占有し大きな収益をあげる源泉となっている。


これは4月6日の記事で、その後行われた改訂で、少々変更がされている模様
続・ろばの穴  20120606でも書いたけど、まだ議事録を読んでいません。


なにげに、リリカの薬価が25%も下がっていたんですね。
【速報】薬価改定告示 リリカとアクテムラが25%下げ、アリセプト16.8%下げ | 国内ニュース | ニュース | ミクスOnline

この記事紹介しましたっけ? 思ったより売れ行きがすごかったので、薬価のほうを下げたということですが、安くなれば手が出しやすくなる患者さんもいるわけで、もっと売り上げが延びるかも、ですね。


今日の病状:手指むくみ■■□□□。週末に向けて、きょうは2時間睡眠(眠れない)の7時半起きで頑張っている最中。
…むくみは5段階評価を黒四角でインジケート、■が多いほど不快です。


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びまん型全身性強皮症慢性疼痛(筋筋膜性疼痛症候群)双極性障害II型強迫性障害。趣味は習字と実験。

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