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イレッサ和解拒否その後

また読み難い記事ですみません。今回で最後になるといいのですが。


あまりに分かり難く気持ち悪いので、遅ればせながら訴状文から読んでみました。

2004年の原告側訴状文 より以下抜粋

本件は、2002年7月に、承認申請からわずか半年足らずで世界に先駆けて「異例のスピード」承認され、がん細胞のみを攻撃する新しいタイプの抗がん 剤で副作用が少ないという宣伝にもかかわらず、発売後わずか2年で、444 人もの副作用死を出した肺がん治療薬イレッサにより、間質性肺炎等の副作用症状を惹起させられ、その生命を落とした被害者の遺族が、イレッサの製造メーカー(英国アストラゼネカ社)の日本子会社であり輸入承認を取得した我が国におけるイレッサの総販売 元である被告アストラゼネカ株式会社と、薬事行政の責任主体である国の責任を追及するとともに、抗がん剤の承認のあり方、 販売のあり方等を問う薬害訴訟である。


まとめると
・製薬会社と国への責任追及
・抗がん剤の承認のあり方、販売のあり方等を問う
・薬害訴訟である


より詳しい背景についてはこちらに分かりやすくまとめられています。
イレッサ薬害被害者の会-Tokyo-0


[提訴の意義・目的]
 (1) 欠陥商品イレッサの責任を問う
 (2) ガン患者の生命の重さを問う
 (3) 人体実験の責任を問う
 (4) 医薬品の宣伝広告・販売のあり方を問う
 (5) 抗がん剤の承認のあり方、販売のあり方、そして被害救済のあり方を問う
 (6) (世界的な標準治療薬の早期承認とイレッサの徹底した情報公開と臨床試験を)

各詳細についてはリンク先原文を参照




■ 和解勧告の内容

そして今月、裁判所より和解勧告が出された訳ですが、その内容については非公開です。原告側の情報裁判所所見のポイントについて によれば、


裁判所の所見では、概要、下記のような判断から、被告らに責任があると指摘しています。
 ・国内治験や治験外使用の副作用報告から、致死的な間質性肺炎が予見可能だった
 ・承認当時、様々な情報により、医師や患者には、イレッサの高い安全性への認識、期待があった
 ・以上をふまえて、初版添付文書での間質性肺炎の注意喚起は不十分だった


▼ 参考:販売当初の添付文書1ページめと2ページ目

副作用の4番目に「間質性肺炎」の記載が3行あるが、命に関わるというような説明はなかった。

▼ 改定後 1ページ目に赤い文字で警告と書かれている



■ 厚労省側の見解

これに対し、厚労省の会見、各医療界の見解をまとめると、総じて以下のようになります。

・承認、安全対策に違法性はなかった。
・副作用の責任を問うという判断は、医療の根本を否定する
・ドラッグラグに拍車をかけることになる


■ 原告側のスタンス(要望)

1 原告ら全員の救済
2 未提訴被害者の救済のための枠組みの創設
3 別紙のとおりの平成22年8月25日付け薬害イレツサ全面解決要求書 2010年8月版の実現。


■ 巷の反応

ある強烈なサイトに興味深い意見が書かれていた。私が日頃思っていることと割と近いかもしれません。

悪魔の薬「イレッサ」薬害訴訟 - wiki


添付文書を軽視し、重大な副作用の患者に説明をせず、経過観察を怠って適切な処置を行なわなかった、素人以下の判断・処置しか出来ない医者のせいで亡くなった患者が居たことは、原告側の用意した裁判資料から明らかである。そうした素人以下の医者が副作用死を拡大したことは、国にとっても大いに予想外だっただろう。ただし、定量的なデータがないため、素人以下の医者がどの程度、副作用死を増やしたかまでは定かでない。ただ、原告のような事例を防ぐため、そうした素人以下の医者による薬害を防止する対策を検討することが“イレッサ薬害”の唯一の教訓だろう。

といっても、「素人以下の医者がいるから添付文書の書き方を改めるべきだ」とはならない。それは明らかな本末転倒であって、本来、素人以下の医者が存在してはいけないのである。国が為すべき再発防止策は素人以下の医者を撲滅することである。

今後、素人以下の医者が産まれないよう国家試験等の制度を見直す
とくに酷い医者については医師免許を剥奪する
全ての医師に対して医薬品の添付文書の扱いを再教育する




そうなんです。皆口々に言うこと&言いたいことが違う。イレッサ訴訟はいろんな問題を社会に投げかけているんじゃないでしょうか。

・新薬承認過程の問題
・添付文書の記載方法の整備
・重要な医療情報を現場に徹底させる方法
・難しい薬を扱う医師の資質
・薬害危機管理に対する明確なマニュアル

なんったって、これらすべて(もっとあるかもしれないけど)命に関わる事柄なんですから。

でも現状、恐らくほとんどの方が問題を把握できていないのだと思います。それは全貌を理解できるように国民に伝えず、国の見解をそのまま伝えるメディアの無責任さにもあるように思います。



原告側
 そもそも承認してはいけない欠陥品であり、情報隠蔽したのは犯罪である、ということに重点を置いての訴訟。

裁判所
 承認過程の問題は言及せず、重篤な副作用情報を添付文書に分かりやすく記載しなかった責任を問い和解勧告。

被告側
 承認過程、安全対策の責任を問われれば、今後の新薬承認に問題が起こると和解拒否。


いつも視聴しているビデオニュースでは記者会見の模様を無料放映しているのでお勧め。
イレッサ訴訟 記者会見 - プレスクラブ - ビデオニュース・ドットコム インターネット放送局

イレッサ和解拒否はやむを得ないことだったのか - ニュース・コメンタリー では、また別の側面から問題提起をしています。

仮に官僚があくまで官僚の論理に則って和解案を受け入れられないと判断しても、なぜ政治がより高い見地からこれを乗り越えることができなかったのか


ということを問題にされています。厚労省の会見が、官僚の作文であるとすれば、官僚にとっての倫理は命重視ではないことになります。そして、国民の代理である大臣(総理も法相も見解了承の上とされている)からも同様の見解となると、誰のための代表か分からなくなります。官僚政治脱却、政治主導を掲げてきた政権であったはずなのに…。それもあの薬害エイズ訴訟の菅総理なのに…。


このことを、病人だけでなく健常者も、ここらで一度立ち止まって、問題を整理してみて欲しいと思います。

小沢さんが先日のネット記者会見でおっしゃっていました。「政治を行うのは政治家ではなく国民の皆さんなんです。」

いったい何パーセントの方が、今回の訴訟問題に疑問を感じたのでしょうか。


ぐたぐたと書いてすみませんでした。最後まで読んでくださった方ありがとうございます。


今日の病状:手指むくみ■■■■■。関節激痛。ボルタレンと浮腫みは連動。
…むくみは5段階評価を黒四角でインジケート、■が多いほど不快です。


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コメント

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イレッサ

ろばさん、分かりやすくまとめてくれてありがとうございます。
わたしも間質性肺炎患者で他人事の話ではありません。

ヒラクさんへ

分かり難いまとめですみません。

ヒラクさんも間質性肺炎だったんですね。強皮症の人で併発する人多いですよね。私は幸い恐らく診断が早かったので免れましたが、もし遅かったらと思うと…(つまり埼玉のある大学病院の膠原病科の先生の指示どおり、放っておいたら…)どうなっていたか、ほんとに他人事じゃありません。

イレッサ

肺癌だった父も、イレッサを毎日のませられ、肺に水が溜まり、多臓器不全に陥りました(怒)医者のモルモットです!リベートのためなのか、最悪の悪徳医師でしたよ・・・
最悪な薬がスピード認可、認可をまってる良い薬は、なかなか降りない!やるせませんね・・・

キノさんへ:Re: イレッサ

キノさんのお父様もイレッサだったのですね。最近のことでしょうから、これはお医者さまの管理ができてなかったのか、故意だったのか? 許せません。
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ろば

Author:ろば
びまん型全身性強皮症慢性疼痛(筋筋膜性疼痛症候群)双極性障害II型強迫性障害。趣味は習字と実験。

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